女の子の成長を祝う桃の節句。
お内裏様とお雛様の位置は覚えていますか?
私は毎回、説明図を見ながらセッティングしています。
実はこの位置、地域によって違いがあるんです!
今回は、桃の節句のお祝いの方法について、地域の違いを紹介します。
お内裏様とお雛様、どっちに置く?
お内裏様とお雛様、どちらに置くか、正しい位置は知っていますか?
どっちでもいいんじゃない?と思っている方もいるかもしれませんが、
地域性があるので紹介します。
京雛と関東雛の違い
実はお雛様、関東と関西で違いがあるのです。
関西を中心とした京雛は古くからの伝統的な形式を大切にしています。
そのため、向かって右側にお内裏様、左側にお雛様を配置します。
日本では左の方が右よりも格式が高いとされてきたため、
お雛様の左側にお内裏様が座るようになっているのですね。
しかし、関東雛と呼ばれる、今では一般的に広まりつつあるひな人形では、
向かって右側はお雛様、左側にお内裏様が座っています。
これは、西洋文化に則った大正天皇の影響だと言われています。
大正天皇が即位する際に、西洋文化を取り入れ、皇后様が天皇の右側に立たれたのですね。
2019年、今上天皇の即位の礼がありましたが、
天皇が昇られる高御座は向かって左側に、皇后の御帳台は向かって右側でした。
関東雛も同じ並びで座っていますよ。
京雛・関東雛の違いは立ち位置だけ?
実は、京雛と関東雛の違いは、立ち位置だけではないのです。
その違いは、お顔立ち。
スッとした細面で目も細いのが京雛、少し丸みを帯びて目がぱっちりしているのが関東雛であることが多いです。
最近は華やかなひな人形も増えてきていますが、
京雛は日本古来の顔立ちや立ち位置をしているのですね。
どちらがいいかは決められませんが、地域によって購入するひな人形が変わってくるかと思います。
また、七段飾りの人形に違いはないのですが、官女と仕丁の持ち物が変わります。
関東雛の三人官女の持ち物は、左から長柄銚子、加銚子、盃となりますが、
京雛では一番右が島台となります。
また、仕丁の持ち物は、関東雛だと左から台傘、沓台、立傘、
京雛ではくまで、ちりとり、箒を持つようになっています。
地域性に合わせて飾るべき?
私は関西生まれで、実家では、京雛の飾り方をしていました。
でも今は関東で子育てをしています。
娘が生まれて購入したのは関東雛です。
京雛と悩んだのですが、周りには関東雛が多いんですね。
また、関西に戻る予定も当面なかったので、関東雛で購入しました。
ただ、最近は大手ショッピングモールや百貨店などで雛人形の販売会をすることも多く、
関西=京雛ということでもないようです。
柔らかいお顔立ちの関東雛を好んで購入する場合も多くなっています。
関西だから京雛、関東だから関東雛とこだわる必要はありませんよ。
桃の節句、地域の違いは?
関東雛と京雛の違いだけではなく、桃の節句のお祝い方法には地域によって違いがあります。
代表的なものを紹介します。
4月3日のひな祭り
ひな祭りと言えば、3月3日をイメージする人が多いと思います。
これは、新暦での節句であり、旧暦では4月3日ごろとなっています。
江戸時代ごろまでは4月頃に節句のお祝いをしていたそうです。
その名残で今でも4月にお祝いをする地域が一部あります。
例えば、山梨県山中湖村や、香川県三豊市仁尾町の一部、埼玉県小鹿野町など、
旧暦でお祝いすることがあります。
その理由は、戦国時代の悲しい出来事だったり、様々です。
中には、3月3日に飾って、4月3日に片づけるとなっている地域もあるようです。
もしそういった地域に引越しした場合、お祭りなどで風習を知ることが出来るかもしれませんね。
外遊びでお祝い
こちらも旧暦の4月頃のお祝い方法になります。
4月上旬といえば、春になって草花も芽吹いてくるころですね。
気温も少しずつ穏やかになっていく頃です。
そのため、「山遊び」や「浜遊び」「磯遊び」の風習が残っている地域もありますよ。
お花見に出かけて、お弁当を食べてお祝いする地域もあるようです。
楽しそうですね!
また、かつて農村部では草花ひなを作る風習があったようです。
蓮華やタンポポを使って、ひな人形に見立てて作るんですね。
お家でも春を感じる遊びとしてできそうですね。
≪余談≫雛人形は誰が買う?
雛人形は、母方の実家が用意すると言われています。
しかし、これも地域によって違いがあるようです。
父方の実家にも
「母方が用意するって聞いたんだけど、合っているかな?」
と一言聞いてからの方が良さそうです。
ちなみに私は、実家から離れて住んでいるため
「これを買いたいんだけどいいかな?」
「いくらするか教えてね、振り込むから」
とイマドキな流れで娘の雛人形を購入しました。
メールやSNSなど、いろいろな手段で買いたいものを伝えることができるようになったので、
一緒に買いに行く家族は減っているかもしれませんね。
まとめ
お雛様とお内裏様の座り位置の違いについて紹介しました。
雛人形には、京雛と関東雛があり、座り位置や持ち物が違ってきます。
また、住む地域によって、お祝いの仕方も様々です。
その地域に合わせた桃の節句を楽しんでくださいね。